日本サッカー協会の選手育成システム

 

 

    1.トレーニングセンター制度


(1)トレセンの目的
 トレーニングセンター制度(通称トレセン)は、「日本サッカーの強化、発展 のため、将来日本代表選手となる優秀な素材を発掘し、よい環境、よい指導を与 える」ことを目的として1976年に試験的にスタートし、1980年に本格的に活動を 開始しました。
 強化委員会は、この制度をユース年代の強化・育成施策の中心に据え、以下の4 つの目的を中心に、その改革や充実策を実行しています。

  
@高い能力を持った選手の発掘・クリエイティブな選手の育成

 能力の高い選手には、その能力に応じた環境・指導を与えていかなければ、その能力ゆえに「悪い習慣:Bad Habit」がつきやすくなります。トレセンでは、よい 習慣(Good Habit:いろいろなテーマをプレーの中で無意識に発揮できるように習 慣づけること)を一つのモットーとしています。
 この問題を解決すべく、選手の能力を判断し、能力に応じた環境・指導を与えるこ とができる、学校やクラブ、地域・年齢の枠(カテゴリー)を超えた活動ができる システムがトレセン(制度)です。
 選手は登録チームの活動の中から発掘され、地区トレセン、47都道府県トレセ ン、ナシュナルトレセンと徐々にレベルの高い環境の中で、指導を受け、トレー ニングをすることができます。
 トレセンは「選抜」ではなく、「選考会」でもありません。次の試合の勝負のために、指導・トレーニングをするのではなく将来の日本代表候補として、クリエイティブな選手を育成することを狙いとしています。
 選手選考の際には、現時点での能力の総合的な高さを評価するとともに、さら に選手の素質、才能、潜在能力、顕著な個性などの将来性を重視することが必要 です。


  
A強化指導指針に基づいた選手の一環指導

 全国各地のトレセンでは、強化指導指針で述べられているユース年代の日本代 表が世界大会を経験して得た課題・問題点を克服すべく、同じテーマに基づいた 一貫指導を追及しています。
 トレセン制度の頂点にある「ナショナルトレセン」では、その中で導き出されたテーマを実際にどう対処していくかを選手に教えています。さらには、地域の指導スタッフが地域に戻って、より多くの選手たちがそのテーマに改善に取り組めるように、そのテーマについて共通の認識や情報が持てるように、日本サッカー協会の強化育成に関する方向性を統一するために、「研修会」方式に改革し、現在ではすべての年代のナショナルトレセンでこの方式がとられるようになっています。
 また、9地域〜都道府県〜地区トレセンでは、ナシュナルトレセンコーチ、トレセン指導スタッフが開催頻度やレベルなど各地域の実情を勘定して、ナシュナルトレセンで示されたテーマに基づいたトレーニングメニューを決定しています。


  
B指導者のレベルアップ

 クリエイティブな選手を育てるためには、より良い環境、より良い指導を提供 し続けなければなりません。選手に高いレベルでのトレーニング機会を与え、専門的な指導を行うために、トレセンでは選手のレベルアップとともに、指導委員会と連携して、指導者のレベルアップの力を入れています。各年代のナショナルトレセンでは、必ず指導者を対象とした講習会を開催し、その中でトレーニングテーマの趣旨説明などを解説し、意識や情報の共有を図っています。また、それぞれのトレーニングでは地域の指導者と、日本サッカー協会の強化スタッフ(ナ
ショナルトレセンコーチなど)がペアになって、実際にナショナルトレセンで選手たちの指導を行い、さまざまなテーマについての認識を深めています。


  
C情報伝達

 教科指導指針、ナショナルトレセンやトレセン指導スタッフ海外研修の情報は、トレセン制度を通じて、9地域〜都道府県〜地区へと流れていき、参加者だけでなく、トレセンに所属するすべての選手・指導者に伝達されます。活字としての情報ではなく、ピッチ上での持斎にボールを使ってリアルに再現され、また自分自身が体験できるため、確実に伝達・理解することが可能です。選手の流れと情報の流れが滞ることなくスムーズに流れていく事で、トレセン制度は活性化されます。

〜第1編第2章抜粋〜

   
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